ダメもとでやってみたことが思わぬ効果を生む
地元の公的機関が主催する「事業承継セミナー」に参加してきました。
登壇された方は、実際に事業承継を経験した元経営者の方。
本音で語っておられて、とても示唆に富むものでした。
その中でも注目したのは「経営者保証」についてです。
もくじ
経営者保証を外すハードルは低くなっている
その経営者の方も、事業承継する際に経営者保証を外しておきたいと考え、取引金融機関との交渉を試みました。
もちろん、成功する自信があったわけではありません。
まずは公的金融機関と交渉した結果、無事に経営者保証を外すことができました。
次に民間の金融機関とも交渉し、これも成功。
交渉にあたっては、「他のところは外してくれた。もしおたくが外してくれなかったらメインバンクを変えることも考える」と、交渉材料を巧みに使われました。
これは脅しでもなんでもなく、少しでも自社に有利になるように働きかけることは何の問題もありません。
企業と金融機関は対等の関係であり、ビジネスパートナーです。
経営者保証が外れ、事業承継が円滑に進むのであれば、金融機関にとって、長く付き合える優良顧客となります。
経営者保証を外すことは、金融機関にとってデメリットばかりではないのです。
近年、担保や経営者保証に過度に依存しない融資を拡大するという国の方針も後押ししたのではないかと思います。
融資審査基準については、以下のブログで解説しています。
経営者保証を外すための公的制度を活用する
先の事例は、今から数年前の話ですが、以前のブログ紹介したように、直近では経営者保証を外すための特別融資制度が設けられています。
この制度を活用することで経営者保証を外すハードルはかなり低くなっていると考えられます。
「融資を得るには担保や経営者保証が必要」という既成概念をリセットすることが必要です。
まずは専門家に相談することから始めてみることをオススメします。
ダメもとでやってみたことが、思わぬ効果を生むこともあるのですから。