融資獲得は、金融機関の審査フローを知ることから始まる
本格的な秋になり、春先に続く、再度のコロナ融資を検討している企業が多いのではないでしょうか。
以前のブログで解説したように、2回目のコロナ融資については、金融機関の審査の目が厳しくなることが予想されます。
今回は、金融機関の審査フローについてご紹介します。
これを知っておくだけでも、企業における融資戦略が大きく変わります。
もくじ
支店側での審査の流れ
支店側での審査の流れは以下の通りです。
事業主
↓
①渉外担当者(いわゆる営業マン、融資稟議書を作成します)
↓
②渉外担当役席
↓
③貸付担当役席
↓
④支店長
ここまでで4ステップあることがわかります。
この中のキーマンは「③貸付担当役席」の方です。
融資稟議書の内容の妥当性をしっかりチェックしてきます。
本店側での審査の流れ
融資審査は支店側だけで行うものではありません。
ドラマ「半沢直樹」をご覧になった方であればご存知かと思いますが、金融機関の本店には「審査部(または融資部)」という部署があり、各支店から上がってくる融資稟議書をチェックしています。
本店側の審査の流れは以下の通りです。
④支店長
↓ ここから本店
⑤審査部担当者
↓
⑥審査部担当役席
↓
⑦審査部部長(ここでOKが出れば融資実行)
支店側から数えて7ステップを要することがわかります。
本店側でのキーマンは「⑥審査部担当役席」の方です。
全支店から上がってくる融資稟議書に目を通している方ですから、不備のある稟議書をチェックするスキルに長けています。
実質的にこのステップをクリアできるかどうかが融資獲得のポイントと言えます。
支店側のキーマンと人間関係を構築することが重要
上記で解説したように、融資審査にはいくつものステップがあります。
よって、融資審査には時間がかかることが容易に想像がつきます。
春先のコロナ融資の際は、緊急事態ということから、ほぼノー審査で融資が実行されましたが、同じような感覚で再度融資を申し込むと思わぬしっぺ返しを食らう可能性があります。
資金に余裕があるうちに融資の相談を持ちかけておく必要があるのです。
融資の相談をする際には、支店側のキーマンである「③貸付担当役席」と「④支店長」との人間関係をモノを言います。
普段より自社の状況を情報開示しておき、定期的に情報交換を行うことで、支店側も自信を持って融資稟議書を本店に上げることができます。
もし本店側から突っ込まれた時も、支店側から「それについては○○です」と即答しやすくなります。
支店側のキーマンとの人間関係は一朝一夕では構築できません。
日頃からの定期的な支店訪問が重要です。
当社では、経営者による金融機関同行についてサポートしております。
「金融機関を訪問したいが何を準備したらいいかわからない」などのお悩みがありましたら、ぜひご相談ください。