募集要項が大幅変更。第8回以降の「小規模事業者持続化補助金」申請時に留意すべきこと

小規模事業者持続化補助金」とは、小規模事業者等の地道な販路開拓等の取り組みや、業務効率化の取り組みを支援するため、それに要する経費の一部を補助するものです。
補助対象となる経費項目が広範で、採択率が比較的高い傾向にあることから、使い勝手の良い補助金として注目されています。

去る3月22日に、第8回の募集要項が発表されたのですが、従来から募集要項が大幅に変更されましたので、その概要を紹介いたします。

「特別枠」が新設

今回から「通常枠」と「特別枠」の2種類となります。
「通常枠」は従来の「一般型」の内容を踏襲していますが、「特別枠」は新設の募集枠であり、使用使途によって細分化されています。

通常枠(現行)

補助上限:50万円
補助率:2/3(赤字事業者は3/4)

特別枠(新設)

・賃金引上げ枠
補助事業の終了時点において、事業場内最低賃金が地域別最低賃金より+30円以上であること。
補助上限:200万円
補助率:2/3

・卒業枠
補助事業の終了時点において、常時使用する従業員の数を増やし、小規模事業者の従業員数を超えて規模を拡大すること。
補助上限:200万円
補助率:2/3

・後継者支援枠
申請時において「アトツギ甲子園」のファイナリストになった事業者であること。
補助上限:200万円
補助率:2/3

・創業枠
産業競争力強化法に基づく「認定市区町村」または「認定市区町村」と連携した「認定連携創業支援等事業者」が実施した「特定創業支援等事業」による支援を公募締切時から起算して過去3か年の間に受け開業した事業者であること。
補助上限:200万円
補助率:2/3

・インボイス枠
2021年9月30日から2023年9月30日の属する課税期間で一度でも免税事業者であった、または、免税事業者であることが見込まれる事業者のうち、インボイス(適格請求書)発行事業者の登録が確認できた事業者であること。
補助上限:100万円
補助率:2/3

ウェブサイト関連費の上限設置

補助対象となる経費科目は、機械装置、展示会等出展費、開発費など計11科目です。前回の13科目より減少していますが、科目ごとの対象範囲が見直されただけであり、補助対象そのものが大幅に少なくなったわけではありません。

ただし、今回から追加された「ウェブサイト関連費」は、補助金交付申請額の1/4が上限となります。
50万円を申請する場合、ウェブサイト関連費は12.5万円までに抑える必要があるのです。
また、ウェブサイト関連費のみによる申請ができないことになりました。
前回までは、ウェブサイト制作や更新にかかる費用は「広報費」に含まれており、上記のような制限はありませんでした。

よって、ウェブサイトを一新して自社サービスを広く訴求したり、ECサイトを活用した新しいビジネスモデルを構築する、といった用途には使用しづらくなります。

電子申請の推奨

小規模事業者持続化補助金には「加点項目」があります。
一定条件を満たした事業者を優先採択するためのもので、「赤字賃上げ加点」「事業承継加点」などが代表的な加点項目です。

この加点項目に今回から「電子申請加点」が追加されました。
申請書類をインターネット経由で提出した事業者を優先するというものです。
政府が推進しているデジタル社会の実現を見据えた変更点と言えるでしょう。

電子申請するには「jGrants(Jグランツ)」と呼ばれる補助金申請システムに登録する必要があります。
登録までには1〜2週間程度を要することから、早めに準備をしておきましょう。

「jGrants(Jグランツ)」登録手続きはこちら
https://www.jgrants-portal.go.jp/

「事業支援計画書」の交付受付締切日の明記
小規模事業者持続化補助金を申請するには、最寄りの商工会・商工会議所の経営指導・助言を受けた上で、「事業支援計画書(様式4)」を交付してもらう必要があります。

今回の変更で「事業支援計画書(様式4)」交付の受付締切を、原則、公募締切の1週間前とすることが明記されました。
前回までは締切日直前の駆け込み申請が多く、商工会・商工会議所の業務に支障を来していたことを考慮したためと考えられます。

最後に

第8回の申請受付締切日は6月3日(金)、「事業支援計画書(様式4)」交付の受付締切は5月27日(金)です。
まだ2ヵ月ほどの期間はありますが、締切間際になると商工会・商工会議所の窓口は混雑しますし、書類不備による不受理のリスクも高くなるため、早めの準備が必要です。

本件について詳しい情報を知りたい方や補助金申請サポートを希望される方は、ぜひお問い合わせください。

  1. L&Cサポート株式会社
  2. ブログ
  3.  補助金
  4. 募集要項が大幅変更。第8回以降の「小規模事業者持続化補助金」申請時に留意すべきこと